●エッセイ12
バリの交通事情


●バリでの運転はプロに任せるべき。

はじめてのBaliで自分で車を借りて運転しようなんて無謀な話です。もし誰かが私に相談してきたら、たとえ日本で実績ありという人にも、ハワイやグァムで経験済みという人にも、とにかくやめるようにアドバイスするでしょう。事故に遭うかどうかはともかくとして、必ずと言っていいほど何かのトラブルに巻き込まれるからです。
ほとんどルール無視の無謀運転、クタやデンパサールを通り抜けるだけでも疲れる交通渋滞、これが新設道路なの?と驚くほどの舗装の悪さ、つねに変わる一方通行、自由に駐車できないクタの道路事情。これに加えて、観光客と見るやむやみやたらに停止をさせて法外な罰金要求する警察官...云々。言っても聞かない人にはあえて止めません。なぜって、やっぱり自分で運転するのは安くて便利だし、楽しいという気持ちもわかりますからね。ただし、事故が起きても誰も補償してくれませんよ。くれぐれも自分の責任で、慎重に運転してくださいね。

バリの交通手段と問題点
■メータータクシー...利用しやすく安心だが、メーターを倒さないで高い料金を言ってくるなどのトラブルあり。
■白タク......................道ばたにしゃがんでいるお兄さんたち。TAXIは必要ないか?と、ハンドルを持つ格好をしながら近づいてくる。使い方によっては安くて便利なときもあるが、トラブルは多い。
■ベモ..........................庶民の足。めちゃくちゃ安いが、乗り慣れないと難しい。スリもいるとの情報もあるので注意が必要。
■長距離バス..............比較的長距離の移動にはリーズナブル。乗り場が決まっているので出発時刻までに集合。ジャワまで陸路で...なんていう計画にはもってこい。
■シャトルバス..........ホテル間や主要リゾートエリア間を循環。ほとんどが無料なので、うまく使えば便利。
■レンタカー..............自由にどこへでも行けるし、時間的な拘束も心配ない。しかし、ガソリン代、保険料は自分持ち。警察官に止められていちいち請求される罰金?もバカにならない。駐車禁止エリアも多く、慣れない観光客にはお薦めできない。
■チャーター車..........運転手つきレンタカー。足代わりにいつでも気軽に移動できるし、ドライバーと仲良くなれば、穴場も教えてくれる。しかし、ちょっと高い。
■ドッカル..................馬車。一部ではまだ地元の人の足として使われてはいるが、クタなどではほとんど観光用。料金は高いので、話のネタ程度。
■レンタルバイク......若い人には便利だが、安全面ではお薦めできない。警察官にもしょっちゅう止められてお金を要求される。
■レンタサイクル......ウブドやサヌールなどでは便利。危なくてクタでは使えない。

●たとえ補償があっても金額は低い。

国際免許証を持っていれば、バリでレンタカーもレンタルバイクも簡単に借りられます。バリでは、どこでも誰もがレンタカーを貸していますが、実はレンタカー以外の車に乗っているといろいろなトラブルに巻き込まれます。聞いた話では、警察官がいちゃもんをつけてくる。あるいは、事故を起こしたとき保険がおりない...など。
バイクの免許は、警察に行けば滞在期間中だけ有効のライセンスがもらえますが、慣れない運転は危険なのでやめましょう。
レンタカーは国際免許証で乗れる...と言っても、国際免許は相互に協定結んだ国でしか有効ではなく、インドネシアは対象国に入ってませんから、いざ事故が起きて補償問題になってくると海外旅行者保険で保険金が下りるかどうかは微妙なところです。これは各保険会社に事前に確認したほうが良いかもしれません。ちなみに15年前に起こった友人の事故ではAIUから保険料が問題なく支払われました。
バイクをレンタルする時に保険に入ります。しかしこの保険、こちらは事故の時のためだと思っていたのですが、壊れたり、盗まれたときに保障される自分たちのための保険だったのです。搭乗者や対人に支払われるものではありません。そういう保険もあるのでしょうが、ボクが内容も確認せずに入らされたものは、とにかくそういう保険でした。旅行者はやはり海外旅行に行く前に傷害保険に入っておいたほうがいいでしょう。たとえ相手が悪くても、保険金は支払われないと思っておいた方がよいようです。

●もしバリ人を轢いたら袋だたきの刑(リンチ)という噂も。

車で轢かれて殺されてしまった場合、ほとんどのバリ人は泣き寝入りだそうです。なぜなら車は金持ちが持っているもので、轢かれるのはつねに貧乏人だからだそうです。たとえ心情的に許せなかったとしても、どうすることもできない。弱いのはいつも貧乏人。お金持ちは裏金を出すので、警察に捕まるのかさえわかったものじゃありません。日本の場合も、交通事故に対する罪は軽いけれど、たいていは事故を起こした人が何らかの保険に入っているでしょうから、少しは気休めになるかも知れない。しかしバリ人が保険金をもらった話なんて聞いたこともない、と彼は言っていました。(それについてはいろいろと調べておいた方が良さそうです)
いずれにせよ、轢かれてしまった人がお年寄りでも子供でも、家族にとっても村にとっても重要な働き手です。交通事故だろうが何だろうが、それを奪われたのだから仕返しをするのは当然という考え方だそうです。だから、事故を起こすとあちらこちらから村人に寄ってたかってひっつかまえられて袋叩きにされると言われました。とくに田舎で人を轢いてしまったら逃げろ!と、あるバリ人は言いました。でも、それじゃひき逃げじゃないか。とにかく運転は慎重に。事故にはくれぐれもご注意を。

●おすすめは、ドライバー付のレンタカー(チャーター車)

はじめてのBaliで自分で車を借りて運転しようなんて無謀な話です。もし誰かが私に相談してきたら、たとえ日本で実績ありという人にも、ハワイやグァムで経験済みという人にも、とにかくやめるようにアドバイスするでしょう。事故に遭うかどうかはともかくとして、必ずと言っていいほど何かのトラブルに巻き込まれることでしょう。
ほとんどスピード無視という無謀運転、クタやデンパサールを通り抜けるだけでも疲れる交通渋滞、これが新設道路なの?と驚くほどの舗装の悪さ、つねに変わる一方通行、自由に駐車できないクタの道路事情。これに加えて、観光客と見るやむやみやたらに停止をさせて要求される法外な罰金、駐車場代、ガソリン代、保険料...云々。止めても聞かない人にはあえて止めません。なぜって、やっぱり自分で運転するのは便利だし、楽しいという気持ちもわかりますからね。ただし、事故が起きても誰も補償してくれませんよ。くれぐれも自分の責任で、慎重に運転されることを望みます。

●運転に必要なもの。

2000年10月初旬 の情報では、レンタサイクルが1万-1.5万Rp/日に対して、レンタバイクは3万Rp/日+保険が数万Rpだそうです。バイクの場合は運転免許無しで借りることができるかもしれません。しかし、免許証を持っていても、何も違反していなくてもすぐに停車させて罰金を要求する国です。事故を起こしたり、違反をした時に全く免許証を持っていないとどうなるかは想像するまでもないでしょう。

●運転はくれぐれも慎重に。

通行方向は日本と同じ左側通行ですが、以下の点で注意が必要です。
・交差点を直進する時は両方のウィンカーを点滅(パーキング)して知らせる
・交差点では左折の場合、前方が赤でも進めるところがあるので注意
・大通りには、日本人には馴染みの少ないロータリー式の交差点がある
・至る所に一方通行があり方向も変わる
・クタのレギャン通り沿いはほとんどが駐車禁止
・お祭りや葬式があると大渋滞が発生、迂回路を通る
・ものすごいスピードで追い越しをされる
・対向車と正面衝突しそうな状態まで追い越しを掛ける
・朝、夕は出勤のバイクが多く、隙あらば詰めてくる
・ニワトリ、犬が道路を横切る

現地ではあまり救急車が走っているのを見かけませんが、交通事故がないのではなく有料、呼ぶ手段が少ない、呼ぶのに時間が掛かってしまう などの理由で一般の車で負傷者を近くの病院に運んでしまうそうです。私の友人も自爆事故ですが、ガラス屋さんのトラックに乗せられて病院に運ばれました。

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